ふじてるんブックス

読んだ本に関係あることやないこと

独断の組織は続かず、決断できる組織は生き残る

椎野さんという方がいる。この人の話を聞きいたことのひとつが「決断と独断の違い」だった。

決断とは、みんなの意見を聞いた上で決めることだ。賛成の人も、反対の人も、みんながどう思うか聞いたり考えた上で決めることを、決断と言う。

独断は、自分だけで決めることを意味する。その結果、反対の人も賛成の人も出る。だけど彼らが何人いようと、どう思おうと関係ない。自分の考えだけで決めるのが決断だ。

世の中は独断の方が楽だし、スピードも出るし成果も出やすい。でも独断をする人からは周りの人がどんどん離れていってしまう。

だって、その人は僕や私のことを見ていないから。自分のことしか見ていないから。

マルドゥック・スクランブル

何通りも読める物語だけど、今日はこの読み方の気分だった。ボイルドは独断の力で物事を成し遂げる。それは強力で、誰にも止められない。

バロットは、何も決められない主人公だった。だけどウフコックという相棒を得ることで、決断を学んでいく。それは、独断に敵わないことま多々あるけれど。

特にカジノのブラックジャックのシーンが大好きだ。主人公が独断の過ちに向き合い、決断の階段を登り始めるシーンが出てくる。

それは本当の意味での信頼と言えると思う。

けれども、ライバルのボイルドも昔は決断の男だった。

でも、仲間を失い追い詰められる中で独断に走り始める。それは、仲間が道具に変わる瞬間でもある。

それがこの話の中に出てくる。

マルドゥック・ヴェロシティ

仲間と道具は紙一重だ。

仲間の力で成し遂げることと、道具の力で成し遂げることには、結果だけ見ていると違いを見つけられない。

同じように独断と決断もまた、薄氷の天秤の上に乗っている。だからいつも自分の中の相棒の声に耳を傾けていられる人でありたい。

「相手の品位に合わせて自分の品位まで落とす必要はない。」

やる気出すより、挫くネタ取り除こうぜ

たしか予備校のCMで、やる気スイッチというものが出てきたことがある。

「やる気スイッチオン!」

ピカピカー!受験勉強〜!

みたいな感じ。

(うろ覚えすぎてもはや忘れてるに等しい)

そっから、やる気とはオンにするものだと思ってきた。でも現実は、オンになってるやる気を挫かれることでやる気が消えていく方が近い気がしている。

「あんたこんな点数とって、ほんとに勉強してんの?」とかね。

話変わって、自然界。自然界はどうやらオンのスイッチよりもオフのスイッチの方が主流らしい。

鹿が増えてるのは、鹿増えるぞスイッチがオンになってるのではなく、鹿増やさないぞスイッチがオフになってるのが原因。と、例えるならこんな具合。

いわゆるサイエンスエッセイの面白いところは、一見まったく関係なさそうなやる気と鹿の頭数が増えたり減ったりする原理がとても似ている、場合があるところにある。

嘘だと思うなら読んでみてください、

楽しいから。

セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか』

カーナビなしでも走れるようになりたい

車にカーナビをつけてれば、たいがいどこにだって行ける。多少迷ったりするだろうけど、すぐに新しいルートをカーナビは教えてくれる。

だけども、それに慣れた人はカーナビなくしては簡単な道さえ迷ってしまう。おかげでいつしか、ドライブがカーナビの言う通りに走る行為になってしまう。

料理にも同じことを感じている。

レシピが丁寧であればあるほど、そのレシピの使い手は綱渡りのような料理をすることになってしまう。だから、料理が上手になりたくてもピンとくる教本に出会えずにいた。

そんな話を友だちにしていたら教えてくれたのがこの本。

『レシピを見ないで作れるようになりましょう』

原理原則を中心に解説されてる本で、ぶっちゃけ味なんて好みで調整するのよ、という考え方の本。まさに、その通り!そういう話が知りたかった。

この本読んでから、調味料を測るようになりました。

「この間、美味しくできた時の酒と醤油の比率どのくらいだっけ?」

を覚えられるように。

技術より大切なこと

ある人に、写真の勉強になる本を貸せと言われた。これまで技術書は一通り読んできたけど、これが一番よかった。

タイトルはあれだけど。

『おんなの撮り方』

技術なんてものはしょせん、技術でしかなく。

その技術を使って何をするのか、が問題であり。写真なんて究極「好み」の問題とも言える。

じゃああなたは何のために撮るのさ?

から始まる技術の話が書かれた本です。要は、女性を美しく撮るには?という話。そこから、撮り方、会話、道具などなど、技術の話が始まる。

目的をまずは持とう。

僕は人の心の動きを撮るのが好きだから、いろんな感情が溢れ出た瞬間を写真に収めたい。その瞬間を『美しい』と感じるから。

じゃあその美しさを撮るにはどうすればいいの?

そもそも美しいとは何?

そんなことを考えるきっかけになった本です。